
このニュースは、2025年2月19日、イギリスの平均寿命の伸びが、ヨーロッパの他の国々と比べて著しく遅れている、という衝撃的な分析が発表された海外の話ですわ。長生きできるんは当たり前、て思とったけど、どうやらそうやないみたいやな。国の懐事情が、わしらの寿命まで左右する時代になってもうたんやろか。
このニュースの要点は、下記3つです。
- 2011年から2021年にかけて、イギリスの平均寿命の改善が欧州で最も遅いグループだったことが判明しました。
- 専門家は、2010年以降の緊縮財政による、公衆衛生への投資削減が主な原因だと指摘しています。
- 国民の健康状態の悪化が、結果的に新型コロナウイルスのような危機への脆弱性に繋がったと分析されています。
目次
「長寿国」イギリスの、不都合な真実
権威ある医学雑誌『ランセット・パブリック・ヘルス(The Lancet Public Health) 』に発表された新しい分析によると、英国は2011年から2021年の10年間で、ヨーロッパの主要国の中で、平均寿命の改善が最も遅い国の一つであったことが明らかになりました。
何十年もの間、ヨーロッパ全体の平均寿命は右肩上がりに伸び続けてきました。しかし、2011年頃からその進歩は停滞し始め、特に英国の落ち込みが際立っていることが、200人以上の研究者による国際比較調査で示されたのです。
なぜ伸び悩むのか?専門家が指摘する「緊縮財政」という原因
この研究の共著者である、『ロンドン大学衛生熱帯医学大学院』のマーティン・マッキー教授 (Professor Martin McKee) は、この伸び悩みの原因を、2010年以降の英国政府による緊縮財政にあると厳しく指摘しています。
2010年以降の医療、社会福祉、そして公的扶助への大規模な削減が、最も貧しいコミュニティに最も大きな打撃を与えました。その結果、英国民の健康は損なわれ、国は新型コロナウイルスのような衝撃に対して、より脆弱になってしまったのです。
英国の公衆衛生の権威であるマイケル・マーモット卿 (Sir Michael Marmot) も同様に、緊縮財政が「健康の社会的決定要因」(住宅、食料不安、雇用など)を悪化させたと警告しています。つまり、国の財政を健全化するために公的なサービスへの投資を削ったことが、回り回って国民の健康という社会の土台そのものを崩してしまった、というのです。す。
比較して見えてくるポイント
国の「お金の使い方」が、国民の寿命にどう影響するのか。その違いが見えてきます。
政策の優先順位
- 英国(2010年以降):財政再建を最優先し、医療や福祉といった公的サービスへの支出を削減。健康を「コスト」として捉える傾向が見られます。
- 他の欧州諸国:国民の健康や幸福を、将来の社会を支える「資本」と捉え、公衆衛生や社会保障への継続的な投資を重視する傾向があります。
結果
- 英国(2010年以降):平均寿命の伸びが停滞し、健康格差が拡大。結果として、パンデミックのような予期せぬ危機に対する社会全体の抵抗力が低下しました。
- 他の欧州諸国:比較的高いレベルで平均寿命の伸長を維持し、健康格差も小さい傾向にあります。社会全体の安定性が、危機への強さに繋がっています。
この英国のニュースは、長寿国でありながら、近年、経済の停滞や社会保障費の増大に苦しむ日本にとって、他人事ではありません。
日本もまた、財政的な制約から、医療や介護、福祉といった分野への公的な投資を、今後どう維持していくかという大きな課題に直面しています。
英国の事例は、目先の財政再建を優先し、国民の健康という「未来への投資」を怠った国が、どのような結末を迎えるかを、私たちに生々しく見せてくれます。私たちが当たり前だと思っている「長生きできる社会」は、決して自動的に続くものではないのです。
重要キーワード
「平均寿命」とは?
その年に生まれた人が、平均してあと何年生きられるかを示した数値です。国の豊かさや、医療・公衆衛生の水準を示す、最も基本的な指標の一つとされています。この記事では、その数値の「伸び」が止まることが、いかに社会にとって危険なサインであるかが示されています。
「公衆衛生」とは?
個人の病気を治す「医療」とは異なり、社会全体の仕組みを通じて、人々が病気になることを予防し、健康で長生きできる社会を目指す取り組みのことです。この記事では、政府による公衆衛生への投資削減が、国民の平均寿命の伸び悩みに直結した可能性が、専門家によって強く指摘されています。
みんなの生声
まとめ
あらためて、このニュースの要点をおさらいします。
- 2011年から2021年にかけて、イギリスの平均寿命の改善が欧州で最も遅いグループだったことが判明しました。
- 専門家は、2010年以降の緊縮財政による、公衆衛生への投資削減が主な原因だと指摘しています。
- 国民の健康状態の悪化が、結果的に新型コロナウイルスのような危機への脆弱性に繋がったと分析されています。
あなたに問う
国の借金の話を聞くと、「わしらの税金、無駄遣いしおって」て、腹が立つこともありますわな。せやから、「もっと節約せえ」て言いたなる気持ちも、よう分かる。
けどな、その「節約」で、あんたや、あんたの大事な人が、元気に長生きできるための大事なもんまで、削られてしもうとったら、どないします?
あんたが国に納めとる税金はな、未来の誰かのためだけやない。巡り巡って、あんた自身の寿命を守るための、大事な“お守り”なんかもしれまへんで。