
この記事では、皮膚科医Dr. Dray氏の解説動画を基に、レチノール使用時の乾燥や皮むけといった悩みを解決する鍵となる「保湿」について、その正しい方法と具体的なおすすめ製品について解説します。
この記事を読めば、下記3つのことがわかります。
- なぜレチノール使用時に「保湿」が絶対に欠かせないのか、その科学的な理由。
- 刺激を最小限に抑えるための、保湿剤の正しい選び方と塗る順番。
- 皮膚科医が実際に推奨する、レチノールと相性の良い市販の保湿クリーム。
▼ 情報元紹介
- 講演者: アンドレア・スアレス(Andrea Suarez)博士
- 経歴: 米国の皮膚科医で、「Dr Dray」として、YouTubeを中心にスキンケアや皮膚科学に関する専門的で科学的根拠のある情報を発信しています。彼女のわかりやすい解説と実践的なアドバイスは多くの視聴者から支持されており、敏感肌やニキビケアなど幅広い皮膚問題について教育的な内容を提供しています。専門家として信頼される存在です。
- 出典元: レチノールと併用できる最高の保湿剤|ドクタードレイ
※この記事は、講演の紹介であり、医学的アドバイスではありません。健康に関する判断は必ず医師にご相談ください。
レチノールで皮むけした肌、保湿クリームが“しみる”絶望、分かりますか?

レチノールを始めて数日後、肌が乾燥してカサカサになるのは、まだ想定内だった。でも、いつも使っているお気に入りの保湿クリームを塗った瞬間、顔中に走る“ピリッ”とした痛み。良かれと思って塗ったのに、まるで傷口に塩を塗り込むような刺激に、思わず声が出てしまう。鏡を見れば、赤くなった肌が「もうやめて!」と訴えているかのよう。保湿したいのに、保湿が怖い。このジレンマで、結局レチノールを続ける勇気がくじかれてしまった…。そんな経験、ありませんか。肌のために始めたスキンケアが、逆に肌を痛めつけているように感じるあの無力感。もしかしたら、その原因はあなたの肌質ではなく、使っている保湿クリームとの「相性」にあるのかもしれません。
「保湿すれば良い」という単純な話ではない。その“常識”が、あなたの肌を傷つけているとしたら?

これまで私は、レチノールのA反応に悩むたびに、「保湿が足りないんだ」と信じ込み、ただひたすら保湿クリームを塗り重ねてきました。こっくりしたリッチなクリーム、話題の美容成分が入った高級クリーム…。しかし、何を試しても刺激はなくならず、肌の状態は一向に改善しませんでした。それどころか、良かれと思って使っていたクリームの成分が、実はレチノールの刺激を助長していたなんて、夢にも思わなかったのです。私は、あなたに過去の私と同じ過ちを繰り返してほしくない。もし、レチノールと本当に相性の良い保湿剤の「選び方」と「使い方」を知るだけで、あの不快な刺激から解放され、レチノールの恩恵だけを安全に受けられるとしたら?その答えは、驚くほどシンプルで、今日から誰でも実践できるものだったのです。
皮膚科医が教える保湿剤選びの「3つの鉄則」

Dr. Drayは、レチノールと併用する保湿剤選びには、守るべき明確な原則があると断言します。高価な製品や、流行りの成分は必要ありません。重要なのは、肌のバリア機能を静かにサポートし、余計な刺激を与えないことです。
- 無香料であること (Fragrance-Free):香料は、アレルギーや刺激の一般的な原因です。レチノールで敏感になっている肌には、不要なリスクでしかありません。
- 角質除去成分を含まないこと (No AHAs/BHAs):アルファヒドロキシ酸(AHA)やベータヒドロキシ酸(BHA、サリチル酸)は、それ自体が肌の角質に働きかける成分です。レチノールと併用すると、肌への刺激が過剰になり、バリア機能を破壊する原因となります。
- シンプルな成分構成であること (Short Ingredient List):多くの植物エキスや特殊な成分は、効果が不明確なだけでなく、アレルギーのリスクを高めます。成分リストが短く、セラミドやシアバター、ナイアシンアミドといった、効果が確立された基本的な保湿・保護成分を中心とした製品が最も信頼できます。
この3つの鉄則を守るだけで、あなたの保湿剤選びの失敗は劇的に減るはずです。
専門家推奨、レチノールと相性抜群の保湿クリームリスト

では、具体的にどの製品を選べば良いのでしょうか。Dr. Drayが動画内で推奨する、上記の鉄則を満たした、日本でも比較的手に入りやすい製品を紹介します。
- CeraVe (セラヴィ) モイスチャライジングクリーム:
セラミドを配合し、肌バリアの修復をサポートする基本の一品。ただし、人によっては刺激を感じることもあるため、よりマイルドな選択肢も検討しましょう。 - La Roche-Posay (ラロッシュポゼ) リピカ AP+M バーム:
シアバター配合で非常に高い保湿力と保護力を持ち、特に皮むけがひどい時期の肌を優しく守ります。 - Cetaphil (セタフィル) PRO 赤みケア ナイトクリーム:
シアバター、ナイアシンアミドに加え、赤みを鎮める効果が期待できるカフェインも配合。A反応による赤みに悩む人に特におすすめです。 - Vanicream (バニクリーム) モイスチャライジングクリーム:
成分リストが極めて短く、不要なものを徹底的に排除した処方。敏感肌にとって、最も信頼できる選択肢の一つです。
これらの製品を、「洗顔後すぐ→保湿剤→乾いてから→レチノール」という順番で使うことで、あなたはもうA反応を恐れる必要はなくなるでしょう。
みんなの生声
関連Q&A

Q. レチノール使用時に特に効果的な保湿成分は何ですか?
A. 肌のバリア機能をサポートし、修復する成分が特に効果的です。具体的には、肌の構成成分であるセラミド、水分蒸発を防ぐ保護膜を作るシアバター、抗炎症作用とバリア機能回復を助けるナイアシンアミド、そして保湿と修復をサポートするパンテノールなどが挙げられます。これらの成分は、レチノールによる刺激を和らげ、肌を健やかに保つのに役立ちます。
Q. レチノールの乾燥肌に対する副作用を防ぐ方法は何ですか?
A. いくつかの方法があります。まず、レチノールを塗る前に必ず保湿剤を塗布し、肌を保護することです。次に、無香料でAHA/BHAといった角質除去成分を含まない、シンプルな処方の保湿剤を選びましょう。また、レチノール自体も低濃度・低頻度から始め、肌の様子を見ながら徐々に慣らしていくことが、乾燥や皮むけといった副作用を最小限に抑える上で非常に重要です。
Q. どのタイミングで保湿を行うのが最も効果的ですか?
A. レチノールによる刺激を和らげるためには、洗顔後すぐに保湿を行うのが最も効果的です。タオルで優しく水分を拭き取った直後に保湿剤を塗ることで、肌からの水分蒸発を最小限に抑え、保護膜を形成します。そして、保湿剤が肌に完全に吸収されて乾いた後にレチノールを塗ることで、直接的な刺激を緩和し、忍容性を高めることができます。
まとめ
あらためて、今日の話の要点をおさらいします。
- レチノール成功の鍵は、刺激を抑える「保湿」にあり、研究でも証明されている。
- 保湿剤は「無香料」「シンプル」「角質除去成分なし」を基準に選ぶ。
- 塗る順番は「洗顔→すぐ保湿→乾いてから→レチノール」が鉄則。
レチノールという強力な武器も、使い方を間違えれば自分を傷つける諸刃の剣になります。しかし、保湿という最強の「盾」を正しく構えれば、もう何も怖いものはありません。今日のこの記事が、あなたのドレッサーの肥やしになっているレチノールを、再び輝かせるきっかけになることを願っています。丁寧に保湿された肌が、ふっくらと柔らかくなる感触を、ぜひ楽しんでください。