
このニュースは、2025年8月11日、イギリスの管理職を対象とした調査で、37%が「定年をもっと引き上げるべき」と考えていることが分かった、という海外の話ですわ。年金だけじゃ食べていかれへん未来、人ごとやないで。あんたの会社、腰曲がって杖つきながら出社しても「よう来たなぁ」って迎えてくれますかねぇ?入口でセキュリティに止められるんじゃないじゃろか。
このニュースの要点は、下記3つです。
- イギリスの管理職の37%が、平均寿命の上昇に合わせて定年を引き上げるべきだと考えています。
- しかし、現場の管理職からは「肉体的・精神的な負担」など4つの具体的な懸念が挙がっています。
- 背景には、イギリスでも年金貯蓄だけでは老後の生活が不安定になるという深刻な問題があります。
出典元:Raise retirement in line with life expectancy, say managers(PESONNEL TODAY, 2025年8月11日)
目次
何が起きた?イギリスで高まる「定年延長」のリアルな声
イギリスの経営者協会である『CMI (Chartered Management Institute) 』が発表した調査によると、イギリスの管理職の37%が、年金受給年齢を平均寿命の上昇に合わせて引き上げるべきだと考えていることが明らかになりました。
特に55歳以上の管理職では、この改革への支持は49%にものぼります。イギリスの現在の年金受給年齢は66歳で、2028年までには67歳に引き上げられる予定です。
この背景には、将来の退職者が、前の世代よりもかなり低い貯蓄額で生活しなければならなくなるという、日本とも共通する深刻な懸念があります。
しかし、現場が抱える「4つの懸念」
一方で、『CMI』は、定年延長に対して現場の管理職が抱くリアルな懸念も明らかにしています。主なものは以下の4点です。
- 肉体的な負担:
回答者の51%が、一部の仕事における身体的な負担を懸念しています。 - 雇用機会の減少:
49%が、高齢労働者の再就職先が少なくなるのではないかと心配しています。 - 経済的な負担:
40%が、年金受給資格を得るのが遅れることによる、従業員の経済的負担を指摘しています。 - 精神的な負担:
同じく40%が、年齢を重ねるにつれて特定の職業で精神的な要求が高まることを懸念しています。
『CMI』のアン・フランケCEOは、「市民にもっと長く働くことを求める国は、彼らの経験を尊重し、社会人生活を通じて支援する国でなければならない」と、企業や社会のサポート体制の必要性を強く訴えています。
比較して見えてくるポイント
このニュース、他の出来事と比べてみると、さらに深い意味が見えてきます。
制度設計の進め方
イギリス | 日本 |
国が主導し、年金受給年齢の引き上げを先行。経済合理性に基づき、トップダウンで議論が進む傾向があります。 | 70歳までの就業確保は「努力義務」として企業の自主性に委ねられています。個人の選択肢は多様ですが、国の姿勢はやや曖昧です。 |
議論の中心
イギリス | 日本 |
「働くべきか」という是非の議論が中心。管理職側からの賛成意見や、現場の懸念がデータとして明確に示されます。 | 「どう働くか」という方法論の議論が中心。シニア雇用の具体的な制度設計や、個人のリスキリングに関心が集まる傾向があります。 |
どちらの国も「長く働く」という方向性は同じですが、その進め方には大きな違いがあります。国の明確な方針がない日本の状況は、かえって個人の将来不安を増大させているのかもしれません。
重要キーワード
「人生100年時代」とは?
平均寿命が延び、100歳まで生きることが珍しくなくなる時代のことです。教育、仕事、引退という従来の3ステージの生き方が通用しなくなるという概念で、リンダ・グラットン氏の著書『LIFE SHIFT』で広く知られるようになりました。今回のイギリスのニュースは、この大きな変化に対し、社会制度がどう対応しようとしているかの一例です。私たちの働き方や学び方、生き方そのものを見直す必要性を突きつけています。
みんなの生声
まとめ
あらためて、このニュースの要点をおさらいします。
- イギリスの管理職の37%が、平均寿命の上昇に合わせて定年を引き上げるべきだと考えています。
- しかし、現場の管理職からは「肉体的・精神的な負担」など4つの具体的な懸念が挙がっています。
- 背景には、イギリスでも年金貯蓄だけでは老後の生活が不安定になるという深刻な問題があります。
あなたに問う
国が「70歳まで働け」言うたって、あんたの会社が骨拾ってくれるわけやない。結局、自分の体と財布の面倒は、自分で見なあかんのですわ。ほら、来月の給料…新しい靴でもええ、筋トレの本でもええ、ええから未来のあんたに渡す“お年玉”をひとつ、用意しときなはれ。
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