
このニュースは、2025年8月11日、シンガポールの保険会社が、ポイントや特典で健康行動を促すアプリを推進しているという海外の話ですわ。口で言うのは簡単やけどな、毎日コツコツ運動するなんて、なかなか続かへんもんや。そやけど、「ポイントが貯まる」とか「ご褒美がある」て言われたら、どっこいしょって重い腰も上がるのが人間やろ?賢い時代になったもんやで。
このニュースの要点は、下記3つです。
- シンガポールで、保険会社が健康管理をゲーム化し、ポイントなどの報酬で健康行動を促しています。
- 実際に血糖値71%改善など具体的な成果も出ており、国の健康戦略の一環となっています。
- これは、テクノロジーで長寿地域を目指す「ブルーゾーン3.0」という国家構想に基づいています。
目次
「健康」をゲームで攻略する国、シンガポール
シンガポール在住のレスリー・クァクさん(65歳)は、数年前まで高血圧と高コレステロールに悩んでいました。しかし、保険会社『AIAシンガポール (AIA Singapore) 』が提供する『AIAバイタリティ」(AIA Vitality)』というプログラムに参加し、生活が一変します。
このプログラムの核心は「ゲーミフィケーション」(Gamification)です。これは、ポイントやレベルアップといったゲームの仕組みを、健康管理などに応用する手法のこと。歩数や睡眠時間に応じてポイントが貯まり、スーパーでの割引など、目に見える報酬がもらえます。
クァクさんは、「健康が、まるで報酬がもらえるゲームのようになり、意欲が続きます」と語ります。その効果は本物で、『AIA』によれば、プログラム参加者の健康診断結果は、血糖値で71%、血圧で48%が改善したという驚くべきデータも出ています。
なぜそこまでする?国の生存をかけた「ブルーゾーン3.0」構想
こうした企業の動きは、シンガポール政府が国を挙げて推進する壮大な構想と連動しています。それが「ブルーゾーン3.0」(Blue Zone 3.0)構想です。
そもそも「ブルーゾーン」(Blue Zones)とは、日本の沖縄やイタリアのサルデーニャ島など、伝統的な生活習慣により健康長寿の人が多い地域を指します。これに対しシンガポールは、テクノロジーや政策を駆使して、人為的に健康長寿社会を創り出す「次世代のブルーゾーン」を目指しているのです。これは、少子高齢化が進む国家にとって、医療費を抑制し、社会の活力を維持するための、いわば生存戦略なのです。
比較して見えてくるポイント
このシンガポールの取り組み、元祖「ブルーゾーン」や日本のラジオ体操と比べると、その特異性が見えてきます。
vs 元祖ブルーゾーン
シンガポール | 沖縄やサルデーニャ島 |
ポイントや割引といった外部からの「ご褒美」で健康行動を促します。個人のデータは企業によって管理・分析されます。 | 伝統的な食生活や共同体との繋がりといった、文化や風土から自然に生まれたライフスタイルが長寿の秘訣です。 |
vs 日本のラジオ体操
シンガポール | 日本のラジオ体操 |
個人のスマホアプリで完結し、競争や達成感がモチベーションの中心です。隣の人との繋がりは必ずしも必要ありません。 | 公園などに集まり、みんなで同じ動きをすること自体が目的。共同体意識や社会参加の側面が強いと言えます。 |
シンガポールのやり方は、テクノロジーを駆使した非常に現代的なアプローチです。しかしそれは、本来内発的であるべき健康への意識が、外部からの報酬や監視によってコントロールされる未来を示唆しているのかもしれません。
重要キーワード
「ゲーミフィケーション(Gamification)」とは?
ポイント、レベルアップ、ランキング、報酬といったゲームのメカニズムを、健康管理や学習など、ゲーム以外の分野に応用する手法です。人々が自発的に、そして楽しみながら行動を継続することを目的とします。この記事では、保険会社が顧客の健康増進のために活用している中心的な仕組みとして紹介されています。
「ブルーゾーン(Blue Zones)」とは?
健康で長生きする人が特に多い、世界でも稀有な地域のことです。元々はイタリアのサルデーニャ島や日本の沖縄など、自然発生的な長寿地域を指しました。しかしシンガポールは、国の政策や企業の取り組みによって、人為的に長寿地域を作り出す「ブルーゾーン3.0」を目指しており、この記事の壮大な背景となっています。
みんなの生声
まとめ
あらためて、このニュースの要点をおさらいします。
- シンガポールで、保険会社が健康管理アプリを通じて人々の健康増進を促す動きが活発化しています。
- 歩数や睡眠などの達成度に応じてポイントや割引が得られる「ゲーム化」が特徴です。
- これは、国が推進する健康長寿地域「ブルーゾーン3.0」構想の一環と位置づけられています。
あなたに問う
ポイントがもらえるから野菜を食べる。割引があるからジムに行く。ええやないの、きっかけは何でも。日本にも、『ポケモンスリープ』っちゅうアプリがあるらしいな。せやけどな、大事なんは、いつまでもカビゴンのご機嫌うかがいで寝るんやないっちゅうこと。気づいたら、ぐっすり眠れた朝の気持ちよさ、そのものに喜びを感じられるようになることやで。
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