
このニュースは、2025年7月22日、年間3億円をかけて若返りを目指す、あのブライアン・ジョンソンさんが、自身の会社を「もうやめたい」と語った、という海外のびっくりニュースですわ。最先端のことやっとる超人も、わしらと同じように、仕事のことで頭を悩ませるんやなぁ。一体、彼の身に何があったんやろか。
このニュースの要点は、下記3つです。
- ブライアン・ジョンソン氏が、自身のサプリブランド『ブループリント(Blueprint)』の売却か閉鎖を検討していると告白しました。
- 理由は「ビジネスが、人類の進化を目指す自身の“哲学”の信頼性を損なっているため」というものでした。
- これは、「好き」を仕事にした全ての人が直面する、「純粋な情熱」と「収益化」のジレンマを象徴しています。
目次
アンチエイジングのカリスマによる、突然の「引退宣言」
年間200万ドル(約3億円)を投じ、実年齢47歳にして、18歳の肉体を取り戻そうとする壮大なプロジェクトで世界的に有名な起業家、ブライアン・ジョンソン氏 (Bryan Johnson)。彼が、自身のアンチエイジング哲学を商品化したサプリメントブランド『Blueprint』の事業から、手を引く可能性を明らかにしました。
米国の雑誌『WIRED』のインタビューに対し、彼は「正直なところ、もう閉鎖するか売却する寸前だ」と、衝撃的な告白をしたのです。
「哲学」と「ビジネス」の狭間で生まれた葛藤
『Blueprint社』は、ジョンソン氏が実践するサプリメントの組み合わせを商品化した「ロンジェビティ・ミックス」(49ドル)や、特製のオリーブオイル(35ドル)などを販売しています。ジョンソン氏によると、『Blueprint』は、友人たちに「あなたが飲んでいるサプリを分けてほしい」と頼まれたことから始まった、いわば善意のサイドプロジェクトでした。しかし、事業が拡大するにつれて、彼は深刻な葛藤に直面します。
問題は、今や人々がビジネスを見て、私の哲学に対する信頼性を低く評価することだ。私はそのトレードオフをすることはできない。私にとって、それほどの価値はない。だから、もう欲しくないんだ。
彼にとって、『Blueprint』は「人類の長寿を民主化する」という壮大なミッションを伝えるための手段でした。しかし、そのビジネスが「金儲け」と見なされ、彼の思想そのものの純粋さが疑われるようになった。その状況に、彼は耐えられなくなったのです。これは、利益よりも思想を重んじる、彼らしい哲学的な決断と言えるでしょう。
お金の問題は?ニューヨーク・タイムズの経営危機報道に対する彼の反論
この発言の数ヶ月前、ニューヨーク・タイムズ紙は、『Blueprint』が深刻な経営難に陥っていると報じていました。しかし、ジョンソン氏は今回のインタビューで、その報道をきっぱりと否定しています。
「彼らは、私たちが何か緊急の財政状況にあるかのように描いた。それは事実ではない。私たちは収支均衡しており、そのことは公にも何度も言ってきた。利益が出た月もあれば、損失が出た月もある」
彼は、事業売却の検討が、経営的な危機によるものではないことを強調しました。
比較して見えてくるポイント
同じ「教祖的インフルエンサー」でも、そのビジネスとの向き合い方は、全く異なるようです。
哲学とビジネス
ブライアン・ジョンソン | 他のウェルネス系インフルエンサー |
自身の哲学の純粋性を守るため、ビジネスがそれを毀損すると感じ、手放すことを選択。哲学をビジネスの上に置いています。 | 自身の哲学を体現した商品を売ることこそが、その思想を広める手段と考えます。哲学とビジネスが、完全に一体化しているのが特徴です。 |
信頼性の源泉
ブライアン・ジョンソン | 他のウェルネス系インフルエンサー |
利益を度外視した、ストイックで非営利的な探求者であり続けることに、自身の信頼性の源泉を見出しているようです。 | 多くのフォロワーに支持され、ビジネスとして成功していること自体が、その人物や思想の信頼性の証となっていきます。 |
このニュースは、遠い世界の超人の話ではありません。これは、「好き」を仕事にした全てのクリエイター、職人、そして起業家が、いつか必ず直面する「純粋な情熱」と「収益化の現実」のジレンマそのものです。
「多くの人に届けたい」という想いから始めたビジネスが、いつしか利益や数字に追われ、最初の情熱を見失ってしまう。ジョンソン氏の葛藤は、規模は違えど、私たちの働き方や生き方を映し出す、極めて重要な“鏡”なのです。
重要キーワード
「ブライアン・ジョンソン(Bryan Johnson)」とは?
米国のテック起業家。自身を実験台に、年間200万ドル(約3億円)を投じて、老化を逆転させようとする「プロジェクト・ブループリント」を実践していることで世界的に有名です。アンチエイジングとバイオハッキングの分野における、最も過激で、最も有名なカリスマ的存在です。
「BLUE PRINT」とは?
ジョンソン氏が自身の体で実践している、厳格な食事、運動、サプリメント摂取などを組み合わせた、アンチエイジングのプロトコル(手順書)の名称です。また、彼がその知見を基に開発した、サプリメントやオリーブオイルなどを販売するD2Cブランドの名前でもあります。この記事では、後者のビジネスとしての『BLUR PRINT』が、彼の悩みの種となっています。
みんなの生声
まとめ
あらためて、このニュースの要点をおさらいします。
- ブライアン・ジョンソン氏が、自身のサプリブランド『ブループリント(Blueprint)』の売却か閉鎖を検討していると告白しました。
- 理由は「ビジネスが、人類の進化を目指す自身の“哲学”の信頼性を損なっているため」というものでした。
- これは、「好き」を仕事にした全ての人が直面する、「純粋な情熱」と「収益化」のジレンマを象徴しています。
あなたに問う
好きなことしてお金もらえるなんて、そら最高の人生や、て思いますわな。せやけど、好きやったはずの編み物が、いつの間にか「今月あと100枚編まな」てノルマに変わってしもたら、針を持つ手も重とぅなりますわな。
大事なんは、何のためにそれを始めたか、ちゅう最初の気持ちを、時々思い出してあげることかもしれまへん。あんたが本当に守りたいもんは、会社の売り上げですかな?それとも、あんた自身の心ですかな?
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