
2025年9月20日から21日にかけて上海で開催される、第6回TimePie長寿フォーラムの開催情報をお届けします。国家戦略として「長寿」を掲げる中国。その巨大市場は、日本の私たちにとってどのような意味を持つのでしょうか?
このニュースの要点は、下記3つです。
- 2025年9月、中国・上海で第6回TimePie長寿フォーラムが開催され、世界の長寿関連企業が集結する。
- 中国では長寿産業が国家戦略レベルで推進されており、海外企業にも門戸が開かれている。
- フォーラムでは、中国の長寿医療に関する最新の産業レポートが公開され、市場の未来像が示される。
▼ 出典元
6th TimePie Longevity Forum: A Global Gateway to China’s 1.4 Billion Anti-Aging Opportunities
なぜ今、中国で「長寿」が国家戦略なのか?
中国では急速な高齢化を背景に、2024年から長寿産業の発展が国家戦略レベルで推進されています。政府は、予防的ウェルネスから栄養補助食品に至るまで、幅広い長寿関連のイノベーションを政策的に支援。上海などの自由貿易区では、海外のバイオテクノロジー企業や外資100%の病院の設立が許可され、幹細胞治療や遺伝子治療といった最先端のアンチエイジング技術の導入が積極的に進められています。
この動きは、単なる高齢化対策にとどまりません。14億人という巨大な人口を抱える中国にとって、「健康に長生きする」ことは、経済の持続的成長と社会の安定に不可欠な要素なのです。
2025年9月、世界の長寿ビジネスが上海に集結
こうした大きな流れの中で、2025年9月20日から21日にかけて、第6回TimePie長寿フォーラムが上海で開催されます。このフォーラムは、中国における長寿科学とイノベーションの分野で最も権威ある年次イベントです。
過去5年間で、単なる学術シンポジウムから、世界のトップ科学者、業界のパイオニア、投資家、政策立案者が一堂に会する影響力のあるグローバルプラットフォームへと進化を遂げました。今年は5大陸16カ国以上から、1,200人を超える参加者と約40社の出展が確定しており、まさに世界の長寿ビジネスが中国市場を目指すための「玄関口」としての役割を担います。
科学の最前線から、実践的なハックまで
今年のフォーラムでは、エピジェネティクス(後成遺伝学)の権威であるスティーブ・ホーヴァス (Steve Horvath) 氏や、オートファジー研究の第一人者アナ・マリア・クエルボ (Ana Maria Cuervo) 氏など、40名以上の著名な専門家が登壇します。彼らの講演は、最先端の科学的知見だけでなく、業界のトレンドや未来予測といった戦略的な視点も提供してくれます。
さらに、実践的な側面として、デイブ・パスコー (Dave Pascoe) 氏のような著名な「バイオハッカー」たちが、自己実験に基づいた具体的な長寿戦略を共有するサブフォーラムも開催予定です。これにより、参加者は「科学から実践へ」というテーマを立体的に体験することができます。
中国市場の「今」を知る、最新レポートが初公開
本フォーラムの目玉の一つが、TimePieが復旦大学などの学術機関と共同で作成した「中国長寿医療サービス産業レポート」の初公開です。
現在、中国の長寿医療サービス分野は急成長を遂げています。2023年時点で、高齢者医療部門を持つ公立病院は6,877施設にのぼり、政府は2027年までにそのカバー率を80%に引き上げる計画です。一方で、個別化された予防医療への需要の高まりを受け、民間クリニックも急速に増加しています。
しかし、この急成長は、サービスの質の不均一さや制度の未整備といった課題も生み出しています。今回公開されるレポートは、こうした複雑な市場の現状を明確に分析し、診断から治療、ケアに至るまでの標準化とベストプラクティスを提言。中国における信頼性の高い長寿クリニック・エコシステムを構築するための基礎となることが期待されています。
まとめ
あらためて、このニュースの要点をおさらいします。
- 2025年9月、中国・上海で第6回TimePie長寿フォーラムが開催され、世界の長寿関連企業が集結する。
- 中国では長寿産業が国家戦略レベルで推進されており、海外企業にも門戸が開かれている。
- フォーラムでは、中国の長寿医療に関する最新の産業レポートが公開され、市場の未来像が示される。
中国は国策でアンチエイジング。スケール大きいですね。自分の健康も、世界の動きも、アンテナを張って、キャッチアップしていきましょう。